涙目のバロール第一話⑥【ミドルフェイズ Ⅱ 】
- 2013/10/01
- 17:02
このキャンペーンシナリオ「涙目のバロール」はシナリオと並行して実際のプレイ音声を掲載しています。
涙目のバロール第一話①リンク

今回は初の戦闘シーンです。このブログの参謀「Aさん」曰く
Aさん「次回からはいよいよ戦闘ですな!!正直TRPGって以外と戦闘少ないよね!!って言うのが初心者丸出しの感想。実際プレイしてみないとわからないよね。ドラクエとかは戦闘メインだけどTRPGはそうじゃないって言うのはプレイしてみて初めてわかる」
実際その通りなのである。TRPGにおいては経験値は敵を倒した時に貰うのではなく、ミッションやクエストをこなした時に貰えるものなのだ。大抵の場合その過程で戦闘が起きるものの、時には無用な諍いを避ける事がシナリオ解決の近道だったりする。だがそれと同時に戦闘がTRPGにとって最も楽しい要素の一つである事は間違いないのである。
実際のプレイの様子

戦闘前の準備もにょもにょ←クリックで音声を再生。
また、このキャンペーンではPC④に事前にオリジナルエフェクトを一つ与えている。
《状況判断》ブラックドッグ
最大レベル1 タイミング:マイナーアクション
技能:― 難易度:自動成功 対象:自身 射程:至近 侵食値:2 制限:インビジブル9
効果:電流による一時的思考加速と、電磁波による地形把握を並行して行う事で瞬時に状況を認識するエフェクト。
あなたが次に行うメジャーアクションの判定に+1Dする。また、特定の条件下でこのエフェクトを使用する事で、GMの用意した情報を入手する事が出来る。
これは救済措置として、またPC④が能動的に導き役としてロールプレイし易くする為に用意した能力です。
ダブルクロスをやった事のない方達にとってはチンプンカンプンなテキストだと思いますが、要するにこのオリジナル能力を使うとプレイヤー達が行き詰ってしまった時にGMから、状況の整理と方向性を示唆する事が出来るのです。TRPGは自由度の高いゲームではありますが、それ故に可能な事の多さからプレイが進まなくなってしまう事が多々あります。そういった際に「選択肢」として状況を選ばせてあげるのがプレイ時のストレスを軽減する方法の一つです。
戦闘開始
※NPC《桐谷ルイ》も戦闘に参加。
状況判断⇒この戦闘の勝利条件は60m先の駐車場に全員で到達。もしくは敵の殲滅。
毎ラウンド、いずれかのイニシアチブプロセスで増援が出現。

初期配置のマネキンは10体。増援は基本的にランダムに選んだ対象から10mの位置に出現。
実際のプレイの様子

プレリュード・シンフォニア←クリックで音声を再生。
様々なミスと間違いがあります。まずPC①は恐らく絶望の領域(※オルクス)とさらなる絶望(※Eロイス)を勘違いしています。ですがどのみちセットアップのこの判定は自動成功なのでセッションに影響はありませんでした。TRPGはルールや判定の計算をするのが人間なので、こういった間違いが多々発生します。
▽PC①の三紀人はセットアップで虚無の城塞(※バロール)を宣言し、防御を固めます。
三紀人が桐谷ルイにカバーリングに入った事で、あるフラグが立ちました。
1r セットアップ レオニードは絶望の領域
・レオニードは【プレリュード・シンフォニア】「さあ、旋律を聴かせてくれ」
BGM:ヴェグナガン
攻撃後シルバーが「マスター、ここは少しだけお控えください。彼女が死んでしまいます」
直後のイニシアチブプロセスでマネキン(トループ)が4体出現
・シルバーはマイナーで骨の剣 メジャーでPC三人に【交響曲への誘い】BGM:testpatternへ
「さあ戦いましょう、ともにこの美しき世界の調べとなって」
実際のプレイの様子
親父やめろよ!←クリックで音声を再生。
戦闘時の曲が変わるのは、何かしら状況が変化した事を表現するのに便利です。このタイミングでプレイヤー達は《マネキンの群れ》と《オーケストラセル》が別勢力である事に気が付き始めます。
またPC④イワンが「状況判断」を使う事で戦闘の勝利条件が明らかになりました。これによってプレイヤー達は戦闘プランを退却方針に定めます。
▽続くメジャーアクション、イワンは敵を引き付けるべく《マスターオーケストラ》に接敵します。
退却を試みるPC達ですが、そこにマネキンが襲い掛かり足止めをくらいます。プレイヤー達は駐車場に辿り着く事無くこのラウンドは終了です。
2r 炎に燃える町並みの向こうからズシリと音を立てて巨大な黒い西洋甲冑がやってくる。
セットアップ 「何やら音に誘われて大物が釣れたようだな、シルバー少し遊んでくる」
・レオニードは退場
直後のイニシアチブでマネキン(トループ)が2体出現
・シルバーはいずれかのPCに接近。メジャーでマネキンに【交響曲への誘い】
実際のプレイの様子
黒騎士出現←クリックで音声を再生。
セットアップでさらに増援を匂わせてプレイヤーの不安を煽ります。ここでさらに《黒騎士》も《オーケストラセル》側でない事も明らかになりました。


クロスガントレット←クリックで音声を再生。
桐谷ルイのNPCとしてのコンセプトは白兵支援型です。物語の主人公はあくまでプレイヤー、NPCが出しゃばり過ぎるとプレイヤー達の活躍の機会を奪ってしまいます。桐谷ルイはNPC専用のオリジナルエフェクトを持たせる事で、前線で肩を並べて戦う支援型という形になりました。格闘によるコンビネーション攻撃はプレイヤーもイメージがし易い上、『同意を求める』という行為がダブルクロスに於いてはロイスに絡め易かろうという構成です。
▽2ラウンド目、PC②のヒコがこの攻撃で壁となっていたマネキンを破壊します。
PC③昇がこのラウンドで駐車場に向けて全力移動、三紀人は新たなマネキンの登場に備えて行動を放棄して退路を確保します。
3r 以降 シルバーは時折攻撃を織り交ぜつつ接近。【交響曲への誘い】
・マネキンの行動が終了した次のイニチアシブプロセスに1D10体出現。
シルバーの討伐、もしくはビルの駐車場到着。戦闘終了。BGMカット
実際のプレイの様子

シルバーと三紀人←クリックで音声を再生。
▽3ラウンド目、シルバーの攻撃でイワンが一度HP0にされ邪毒状態に。イワンは続くマネキンの攻撃を辛くも回避したものの、増援のマネキンが10トループ(約100体)現れ、プレイヤー達⇒思わず笑う。
このラウンドで昇がまず脱出成功。続いてヒコ、ルイ、イワンが脱出。
三紀人はこのラウンド、移動力が足りず一人敵の中に取り残される。
▽4ラウンド目、昇を追いかけて駐車場に全力移動するシルバーを三紀人が進路を塞いで一度食い止める。
そのラウンドの行動で三紀人はエンゲージを離脱し、駐車場に到着。
戦闘終了となった。
次回は引き続き《戦場からの脱出》パート後編になります。
ちなみに戦闘には楽しい反面リスクが付き物だ、キャラクターが死亡、最悪ロストする事だってある。誰だって可愛い我が子をむざむざ殺されたくない!
私のバイブルであるTRPGリプレイ「バブリーズシリーズ」では、あまりにもプレイヤー達が戦闘を巧みに回避する上、GMがミスって報酬を弾み過ぎた途端、金に物を言わせて傭兵を雇い出し、金にものを言わせて魔晶石を湯水のように使い、人の弱みに付け込んでゆすりたかり足元を見るせいでゲームデザイナーのGMが発狂しかけた。実際プレイヤーのエルフのあまりにもルールの穴を逆手にとった狡猾な戦法によって、ゲームのルール自体が大幅な修正を余儀なくされた。
そのエルフは《旧ルールの破壊者》とまで呼称される伝説的な公式キャラとなった。
この本を読んだ当時小学生の私は『不正は見逃してこそ金になる』というエルフの発言にいたく感動した。
TRPGで大事なのは戦闘に勝利する事でない、勝負に勝つ事なのだ。
けれど勿論、皆で楽しむのが前提である。
バブリーズ、面白いよ!


今回は初の戦闘シーンです。このブログの参謀「Aさん」曰く
Aさん「次回からはいよいよ戦闘ですな!!正直TRPGって以外と戦闘少ないよね!!って言うのが初心者丸出しの感想。実際プレイしてみないとわからないよね。ドラクエとかは戦闘メインだけどTRPGはそうじゃないって言うのはプレイしてみて初めてわかる」
実際その通りなのである。TRPGにおいては経験値は敵を倒した時に貰うのではなく、ミッションやクエストをこなした時に貰えるものなのだ。大抵の場合その過程で戦闘が起きるものの、時には無用な諍いを避ける事がシナリオ解決の近道だったりする。だがそれと同時に戦闘がTRPGにとって最も楽しい要素の一つである事は間違いないのである。
実際のプレイの様子


また、このキャンペーンではPC④に事前にオリジナルエフェクトを一つ与えている。
《状況判断》ブラックドッグ
最大レベル1 タイミング:マイナーアクション
技能:― 難易度:自動成功 対象:自身 射程:至近 侵食値:2 制限:インビジブル9
効果:電流による一時的思考加速と、電磁波による地形把握を並行して行う事で瞬時に状況を認識するエフェクト。
あなたが次に行うメジャーアクションの判定に+1Dする。また、特定の条件下でこのエフェクトを使用する事で、GMの用意した情報を入手する事が出来る。
これは救済措置として、またPC④が能動的に導き役としてロールプレイし易くする為に用意した能力です。
ダブルクロスをやった事のない方達にとってはチンプンカンプンなテキストだと思いますが、要するにこのオリジナル能力を使うとプレイヤー達が行き詰ってしまった時にGMから、状況の整理と方向性を示唆する事が出来るのです。TRPGは自由度の高いゲームではありますが、それ故に可能な事の多さからプレイが進まなくなってしまう事が多々あります。そういった際に「選択肢」として状況を選ばせてあげるのがプレイ時のストレスを軽減する方法の一つです。
戦闘開始
※NPC《桐谷ルイ》も戦闘に参加。
状況判断⇒この戦闘の勝利条件は60m先の駐車場に全員で到達。もしくは敵の殲滅。
毎ラウンド、いずれかのイニシアチブプロセスで増援が出現。

初期配置のマネキンは10体。増援は基本的にランダムに選んだ対象から10mの位置に出現。
実際のプレイの様子


様々なミスと間違いがあります。まずPC①は恐らく絶望の領域(※オルクス)とさらなる絶望(※Eロイス)を勘違いしています。ですがどのみちセットアップのこの判定は自動成功なのでセッションに影響はありませんでした。TRPGはルールや判定の計算をするのが人間なので、こういった間違いが多々発生します。
▽PC①の三紀人はセットアップで虚無の城塞(※バロール)を宣言し、防御を固めます。
三紀人が桐谷ルイにカバーリングに入った事で、あるフラグが立ちました。
1r セットアップ レオニードは絶望の領域
・レオニードは【プレリュード・シンフォニア】「さあ、旋律を聴かせてくれ」
BGM:ヴェグナガン
攻撃後シルバーが「マスター、ここは少しだけお控えください。彼女が死んでしまいます」
直後のイニシアチブプロセスでマネキン(トループ)が4体出現
・シルバーはマイナーで骨の剣 メジャーでPC三人に【交響曲への誘い】BGM:testpatternへ
「さあ戦いましょう、ともにこの美しき世界の調べとなって」
実際のプレイの様子

戦闘時の曲が変わるのは、何かしら状況が変化した事を表現するのに便利です。このタイミングでプレイヤー達は《マネキンの群れ》と《オーケストラセル》が別勢力である事に気が付き始めます。
またPC④イワンが「状況判断」を使う事で戦闘の勝利条件が明らかになりました。これによってプレイヤー達は戦闘プランを退却方針に定めます。
▽続くメジャーアクション、イワンは敵を引き付けるべく《マスターオーケストラ》に接敵します。
退却を試みるPC達ですが、そこにマネキンが襲い掛かり足止めをくらいます。プレイヤー達は駐車場に辿り着く事無くこのラウンドは終了です。
2r 炎に燃える町並みの向こうからズシリと音を立てて巨大な黒い西洋甲冑がやってくる。
セットアップ 「何やら音に誘われて大物が釣れたようだな、シルバー少し遊んでくる」
・レオニードは退場
直後のイニシアチブでマネキン(トループ)が2体出現
・シルバーはいずれかのPCに接近。メジャーでマネキンに【交響曲への誘い】
実際のプレイの様子

セットアップでさらに増援を匂わせてプレイヤーの不安を煽ります。ここでさらに《黒騎士》も《オーケストラセル》側でない事も明らかになりました。



桐谷ルイのNPCとしてのコンセプトは白兵支援型です。物語の主人公はあくまでプレイヤー、NPCが出しゃばり過ぎるとプレイヤー達の活躍の機会を奪ってしまいます。桐谷ルイはNPC専用のオリジナルエフェクトを持たせる事で、前線で肩を並べて戦う支援型という形になりました。格闘によるコンビネーション攻撃はプレイヤーもイメージがし易い上、『同意を求める』という行為がダブルクロスに於いてはロイスに絡め易かろうという構成です。
▽2ラウンド目、PC②のヒコがこの攻撃で壁となっていたマネキンを破壊します。
PC③昇がこのラウンドで駐車場に向けて全力移動、三紀人は新たなマネキンの登場に備えて行動を放棄して退路を確保します。
3r 以降 シルバーは時折攻撃を織り交ぜつつ接近。【交響曲への誘い】
・マネキンの行動が終了した次のイニチアシブプロセスに1D10体出現。
シルバーの討伐、もしくはビルの駐車場到着。戦闘終了。BGMカット
実際のプレイの様子


▽3ラウンド目、シルバーの攻撃でイワンが一度HP0にされ邪毒状態に。イワンは続くマネキンの攻撃を辛くも回避したものの、増援のマネキンが10トループ(約100体)現れ、プレイヤー達⇒思わず笑う。
このラウンドで昇がまず脱出成功。続いてヒコ、ルイ、イワンが脱出。
三紀人はこのラウンド、移動力が足りず一人敵の中に取り残される。
▽4ラウンド目、昇を追いかけて駐車場に全力移動するシルバーを三紀人が進路を塞いで一度食い止める。
そのラウンドの行動で三紀人はエンゲージを離脱し、駐車場に到着。
戦闘終了となった。
次回は引き続き《戦場からの脱出》パート後編になります。
ちなみに戦闘には楽しい反面リスクが付き物だ、キャラクターが死亡、最悪ロストする事だってある。誰だって可愛い我が子をむざむざ殺されたくない!
私のバイブルであるTRPGリプレイ「バブリーズシリーズ」では、あまりにもプレイヤー達が戦闘を巧みに回避する上、GMがミスって報酬を弾み過ぎた途端、金に物を言わせて傭兵を雇い出し、金にものを言わせて魔晶石を湯水のように使い、人の弱みに付け込んでゆすりたかり足元を見るせいでゲームデザイナーのGMが発狂しかけた。実際プレイヤーのエルフのあまりにもルールの穴を逆手にとった狡猾な戦法によって、ゲームのルール自体が大幅な修正を余儀なくされた。
そのエルフは《旧ルールの破壊者》とまで呼称される伝説的な公式キャラとなった。
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この本を読んだ当時小学生の私は『不正は見逃してこそ金になる』というエルフの発言にいたく感動した。
TRPGで大事なのは戦闘に勝利する事でない、勝負に勝つ事なのだ。
けれど勿論、皆で楽しむのが前提である。
バブリーズ、面白いよ!
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