オーケストラセル資料①リンク
セルメンバーシルバーsilver 『―――』DATA
性別:男 外見年齢:20歳前後 出身:ウクライナ
シンドローム:ハヌマーン/エグザイル
オーケストラセル幹部。FH内の内紛によって消滅したと言われるセル『エンプレスEmpress』。その研究施設で生まれたある人物のデュプリケイト(複製体)であるとの情報が、UGNが拘束したエンプレス残党から明らかになった。オリジナルの詳細については不明。
外見は鼻筋の通った美青年で切れ長の怜悧な眼に、特徴的な少しくすんだ銀髪をしている。
相対したエージェントと拘束中のエンプレス構成員の情報を照合するに、セルの行動理念と異なる、シルバー独自のある目的が浮き彫りになった。彼は受け継いだオリジナルの記憶残滓の中から、自身のルーツの獲得を試みているようだ。
マスターオーケストラに付き添う形で幾つもの目撃証言が挙がっている。情報によれば家族(セルメンバー)以外の人間に対して一切の関心がなく、それ故かその手管にも一切の容赦が見られない。
プラチナ同様、セルメンバーに対して強烈な家族意識を持つようだ。
確認されているシンドロームはハヌマーン/エグザイル。詳細は不明。
プラチナplatinum 『アルベルタ・アンセム』DATA
性別:女 年齢:18歳 出身:イギリス
シンドローム:ハヌマーン
オーケストラセル幹部。かつてのUGNイリーガル、エレン・ヴィクトリアの実子と推測される少女。
スラブ系の端整な顔立ちをしており、特徴的な白に近い銀髪を腰まで伸ばしている。
一見、天真爛漫で好奇心旺盛な美しい少女だが、その本質は根本的な部分で歪みが生じているようだ。対話したエージェントからは「言動にオーヴァードによる選民思想めいた側面が伺えた」との報告もある。
覚醒していない人間を人と見做しておらず、世界各地で夥しい数の被害者を生んでいる。だがその足取りはいっこうに掴むことが出来ない。一部エージェントは彼女を【蜃気楼の魔女】と呼称している。
またオーケストラセルのメンバー達に共通する、家族(セル)に対する強烈な家族意識を持つ。
確認されているシンドロームはハヌマーン。詳細は不明。
▽オーケストラセル組織形態:FH内部組織 規模:中東/欧米
セルリーダー:レオニード・アンセム
構成員:20人前後
解説:マスターオーケストラによって集められた擬似家族型セル。
セルメンバーは共通して、かなり傾倒した家族意識が見られる。
分類上は戦闘部隊に分けられるがその行動理念が他のセルとは大きく異なっている。
それは愛だ。彼等は家族(セル)の為にのみ戦い、家族の為にのみ作戦行動を行う。
また一切の状況において家族以外を省みる事がない、オーケストラセルが現れる地域にはFH、UGN、民間人問わず夥しい数の屍の山が築かれる。その為FH内でも忌み嫌われている。
以前FH内部でオーケストラセルをきっかけとした大規模な内紛が発生した事例が確認されている。
原因はメンバーの一人が遠征先で恨みを買い、結果殺害されたことにあった。
激怒したオーケストラセルはすぐさま報復を開始、メンバーを殺害した構成員の属していたセルはセルリーダーも含めて壊殺、その縁者、隣人、ゆかりあるものも全て、執拗なまでに殺し続けた。
唯一の生存者は現在UGNに拘束されている。
壊滅したセルの名称は【エンプレス】。女帝の名を冠するこの組織の目的はある人物の再現であったようだ。その人物の詳細は不明とされている。
事件以降、FH内部では極力オーケストラセルとの干渉を避けるようになった。
少数ながら構成員は皆一様に強力なシンドロームの使い手であり、中でもシルバー、プラチナと呼ばれる二人のエージェントはセルリーダーに次ぐ力を有しているとされる。 ▼以下、あるUGNイリーガルがプラチナと接触した際に、監視カメラに収められた会話の一部 『私達の家族は普段はバラバラ』
『けど、イヴにはお父様が何処かで小さなホテルを貸し切るの』
『その時だけは家族皆が集まって、賑やかに過ごすわ』
『料理は姉さん達が、それを兄さん達が手伝うの。私は料理がてんで駄目だから、妹達と一緒にフロアを飾り付け』
『プレゼントはお父様が用意してくれるわ』
『でも、お父様はへんなトコで頭のネジが外れてるから、毎年同じプレゼントを買ってくるの』
『あはは、違うわ、アルツハイマーとは別。私の小さい頃からそうなの』
『プレゼントは私達が初めてプレゼントに欲しがったもの。私はテディベアで、一番上の姉さんは琥珀のブローチ、うふ、去年は姉さんたら「見てよアル、とうに10個は越えたわ」ってげんなりしてたわ』
『でも、本当は嬉しいの。私達は普段少し変わった生活をしてるでしょ?お気に入りの服や小物もすぐに壊したり、失くしたりしてしまうから。その度に凄く悲しくなるわ。けど、失って泣きそうになる気持ちも、クリスマスに大切な物が一つ還って来ると思うとグッと堪えられるの』
『姉さんも、何だかんだ言ったって私達にくれたりしないんだから。いっぱいあるのにっ、ふふ』
『私達がプレゼントを貰ったら、今度は私達がお父様にプレゼントを渡す番。力は、いっさい使わないで、演奏するの、お父様の為に』
『そう、下手なの。まだ小さい子もいるしね。でも皆この一年、バラバラでも何処かで練習して……』
『そして、どんなに下手でもお父様は「皆、上手くなったな」と言って私達の頭を撫でるの』
『パーティーの最後はお父様が指揮をとって、ここにいない家族の為に音を出さずに演奏するの』
『演奏は静かで、すごく静かなのに、不思議とお父様が指揮をすると聴こえるの。身体がどこまでも軽くなって、ヴァイオリンを弾いたまま浮かんでしまうような、優美で繊細な、それでいて力強いシンフォニーが……、うん、レネゲイドの力は何も感じられないのに』
『演奏が終わった時、私は気付くの。私達は、家族だって』
涙目のバロール第一話①リンク
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