涙目のバロール第一話①【トレーラー】
- 2013/09/26
- 07:01
近頃なんのブログだが良く分からなくなってきた。
今回から少し趣向を凝らして、音声リプレイを交えつつ実際にプレイしたシナリオを公開していこうと思います。
ソースはダブルクロス3rdのキャンペーンシナリオとなります。
ダブルクロスが何なのかについては触手ちゃんに聞いて下さい。
TRPGをプレイした事のない方はこの機会に、TRPGがどういった雰囲気か少し覗いてみて頂ければ。熟練TRPGプレイヤーの方たちも他所の卓のプレイ音声を生暖かい目で眺めて頂ければ幸いです。
※尚、プレイ音声はそもそも録音を意識して行ったものではありません。その為意味不明な語句や、聞き取りづらい発言が度々混じります、何より私はよく噛みます(笑)。聞き苦しい場面もあるかと存じますが、なにとぞご理解いただきますようお願い申し上げます。
まずはトレーラーとハンドアウトをご紹介。
◇ トレーラー
居なかった。
故に生まれたのだ。
北部に御影丘稜、加賀見貯水池(加賀見湖)を擁する、人口約8万人の街、ベッドタウン深間市(ふかまし)。
何の変哲もない街のその日。
校舎。学生服の少年達は訳もなく笑う。もう幾日も経たずその袖は短くなる。
午後五時、太陽はまだ陰らず、夏の近付きを感じる青い空がある。
白いカーテンが揺れる。
泣いている女がいる。誰。
嗤う白髪頭。誰。
決意の男。誰。誰誰誰、誰なのか。
君達は若さ故に境界線の上で全てを知る旅に出る。
午後五時、五分。それをまだ知らない。
ダブルクロスThe3rdEdition キャンペーン【涙目のバロール】
第一話『オルクスの庭』
ダブルクロス、それは裏切りを意味する言葉。

我々の卓ではハンドアウトをプリントアウトしてプレイヤー達に配布します。皆、様々な趣向を凝らしたハンドアウトでプレイ前のPL達の気持ちを昂ぶらせてくれます。
私が用意する理由としてはハンドアウトの内容を視覚的に印象づける事は勿論、プレイ後にもキャラクターシート等と一緒に見返す事でセッションを思い出してもらう為です。
ハンドアウトを振り返って思い出すのは、キャラクター達の『設定』を越えた確かな『人生』なのです。
TRPGは学生時代ならいざ知らず、社会人となった我々にとっては休日を一つ使い潰すイベントになります。なればこそこういった小さな準備をしていく事が、その大切な時間を有意義な物にする為の一つの工夫になると私は考えています。
学生時代を終えた今だからこそ、今一度真剣に遊びたいものです。
では順にハンドアウトと合わせて登場PCを紹介します。
■PC①用ハンドアウト
ロイス:仲良しグループ 推奨感情P:幸福感/N:不安 ワークス/カヴァー 高校生/高校生
・君は平凡な高校2年生。昔からの気の合う仲間達とつるみながら日々過ごしていた。だが、ふとした折に君は思ってしまう。それは仲間と別れた帰路。放課後の教室。不意に滲みあがってくる。
やがて訪れる別れの日、「皆バラバラになってしまうのだろうか」と、不安になるのだ。
君は分かっている筈の答えを先送りにして友と笑い合う。それはまだ先の事だと。
そう思っていた。
プレイヤーは西の交差点管理人のワタカレ氏。演劇経験がある為、一歩引いたスタンスから状況を冷静に確認しつつ、積極的に熱いロールプレイに飛び込んでいくタイプのプレイヤーだ。所謂イケメンボイスの持ち主で、声に誘われた女性を撃沈するセイレーンみたいな男である。
キャラクター名:楠木三紀人(くすのき みきと) シンドローム:バロール/サラマンダー

PC1楠木三紀人 紹介←クリックで音声を再生。
■PC②用ハンドアウト
ロイス:桐谷ルイ 推奨感情P:庇護/N:憐憫 ワークス/カヴァー 指定なし/高校生
・君はこの学校に入学してから、ずっとある少女を気にかけていた。桐谷ルイ、生まれつき体の弱い彼女は登校してくる事も少なく早退も多い、その為教室で少し浮いた存在だ。陰で彼女を「妾の子」などと口にする不愉快な女子グループへの反発から何となく、彼女を幼馴染の仲良しグループで守るようになった。ルイをからかうように「姫」と呼び始めたのは君だ。
ある日の放課後、珍しくルイを美術室で見かけた君は照れる彼女と小さな秘密を共有した。
「桐谷ルイは絵が上手い」
何かモヤモヤとした気持ちを胸に帰宅した君の、枕に顔をうずめバタバタが始まろうとしていた。
プレイヤーは会場提供者ことじじぃ氏。このセッション当時は私の同僚だった男だ。同じ釜の飯を食らい、無能な上官の命令に歯噛みし、共に地獄の日々を潜り抜けた戦友である。ちなみに当時、彼以外のプレイヤーは全員私と初対面か2、3度顔合わせた程度の繋がりだった。縁とはまっこと不可思議なものである。この当時のプレイスタイルは多少引っ込み事案ながらも懸命にロールプレイに向かっていくタイプだった。キャラクター目線で思考する為、時折思考の袋小路に迷い込む事はあったがキャンペーンの終盤では徐々に迷いを払拭した。出目が死んでいる。
キャラクター名:本田和彦(ほんだ かずひこ)シンドローム:ピュア・サラマンダー

PC2本田和彦 紹介←クリックで音声を再生。
■PC③用ハンドアウト
ロイス:水谷涼 推奨感情P:親近感/N:食傷 ワークス/カヴァー 指定なし/高校生
・君は幼馴染の涼が内心うっとおしい。家が隣り同士で物心ついた頃から互いの両親に双子のように扱われてきた。勿論プライベートなどあったものではなく、涼は窓から君の部屋へ入り込んで今週のジャンプをさらっていく(君も似たようなものだが)。君はそんな煩わしさの中に流れる穏やかな空気にまだ気付いていない。変わりばえのない面子と別れ、涼と二人でなぞるいつもの道。日常。
電灯の下。
岐路はそこに立って笑っていた。
プレイヤーはこの卓の紅一点おさかな嬢だ。今回キャラクター紹介時に掲載しているイラストは彼女が以前描いてくれたものだ。自分のキャラクターを他の誰かが描いてくれるというのは大変嬉しい事である。いやがおうにも士気も高まる。プレイスタイルとしてはNPC大好きタイプで少しでも彼女に好意的なアクションをしたNPCに散弾銃の如く愛をバラ撒く。相手は死ぬ。彼女が愛したNPCが次々とくたばる事から死神の異名を持つ。
キャラクター名:柳昇(やなぎ のぼる) シンドローム:ノイマン/ソラリス/オルクス

PC3柳昇 紹介←クリックで音声を再生。
■PC④用ハンドアウト
ロイス:黒沢陣 推奨感情P:尊敬/N:憤懣 ワークス/カヴァー UGNエージェント/防衛隊員
・君はUGN特別強襲支援部隊『インビジブル9』の隊員だ。部隊長の黒沢と共に数多の死線を越え、ここに立っている。だが君はとある事件をきっかけにUGNの闇を垣間見、苦悩する。
FHとUGN間に存在するアンタッチャブル。そして深間市に現れた二人のマスタークラス。鳴り響く出動要請、可及的速やかに機動ヘリが飛び立つ。
何か途方もない事が始まろうとしている、そんな予感が君の肌をざわつかせていた。
プレイヤーは改庵風流記の管理人肉影氏(うじ)。山男のような体躯に俊敏な動作で大学構内を駆けまわる事から肉影と囁かれてきた練馬の中忍。ケモナーという人外との情愛の境界線に苦悩する哲学者でもある。現在のプレイスタイルはコミカルなロールに時折渋い演出を織り交ぜてくるルーニー寄りのリアルロールプレイヤーである。
キャラクター名:イワン・カラシニコフ シンドローム:ピュア・ブラックドック Dロイス:実験体

この頃の肉影氏は装甲騎兵ボトムズを観た直後の為、元来の厨二病と相まって大変興味深い化学反応を起こした。ハンドアウト無視である。
PC4イワン・カラシニコフ 紹介←クリックで音声を再生。
GMがハンドアウトで提示した方向性と、プレイヤーがやりたい方向性がすれ違う事は往々にして起こる事態だ。当時、彼も含めてダブルクロス初心者が二名、それを除いても卓自体の経験値が浅かった事が災いしたようだ。だからといって用意したNPCと関係性を片っ端から敵にされてはこちらも困ってしまう。というか正直、哀しくなってしまう。
かくして卓全体で相談となった。
PC4の苦難←クリックで音声を再生。
よく勘違いされる事だが、決してGMはホストではないのだ。プレイヤーとは立ち位置を違えているものの互いにゲームを楽しむ立場にある。TRPGはダイスとコミュニケーションで行うゲームである。なのだから、互いに折り合いを見つけ、その中で楽しむ事がもっとも大事なのだ。
PC4の受難 エンディングフェイズ←クリックで音声を再生。
アンニュイ。これもTRPGの登竜門である。これからしばし死ぬほど肉影氏のテンションが下がるが、セッションが始まると不死鳥の如く復活する肉影劇場が始まる。忍者はタフなのだ。
このような形式で次回からはシナリオ本編に入っていこうと思います。実際の音声を交えたこのような試みは初めてですので、経験者、未経験者問わず記事の感想を頂ければ幸いです。
改善点等がありましたら、こまめに直していきたいと思っています。
今回から少し趣向を凝らして、音声リプレイを交えつつ実際にプレイしたシナリオを公開していこうと思います。
ソースはダブルクロス3rdのキャンペーンシナリオとなります。
ダブルクロスが何なのかについては触手ちゃんに聞いて下さい。
TRPGをプレイした事のない方はこの機会に、TRPGがどういった雰囲気か少し覗いてみて頂ければ。熟練TRPGプレイヤーの方たちも他所の卓のプレイ音声を生暖かい目で眺めて頂ければ幸いです。
※尚、プレイ音声はそもそも録音を意識して行ったものではありません。その為意味不明な語句や、聞き取りづらい発言が度々混じります、何より私はよく噛みます(笑)。聞き苦しい場面もあるかと存じますが、なにとぞご理解いただきますようお願い申し上げます。
まずはトレーラーとハンドアウトをご紹介。
◇ トレーラー
居なかった。
故に生まれたのだ。
北部に御影丘稜、加賀見貯水池(加賀見湖)を擁する、人口約8万人の街、ベッドタウン深間市(ふかまし)。
何の変哲もない街のその日。
校舎。学生服の少年達は訳もなく笑う。もう幾日も経たずその袖は短くなる。
午後五時、太陽はまだ陰らず、夏の近付きを感じる青い空がある。
白いカーテンが揺れる。
泣いている女がいる。誰。
嗤う白髪頭。誰。
決意の男。誰。誰誰誰、誰なのか。
君達は若さ故に境界線の上で全てを知る旅に出る。
午後五時、五分。それをまだ知らない。
ダブルクロスThe3rdEdition キャンペーン【涙目のバロール】
第一話『オルクスの庭』
ダブルクロス、それは裏切りを意味する言葉。

我々の卓ではハンドアウトをプリントアウトしてプレイヤー達に配布します。皆、様々な趣向を凝らしたハンドアウトでプレイ前のPL達の気持ちを昂ぶらせてくれます。
私が用意する理由としてはハンドアウトの内容を視覚的に印象づける事は勿論、プレイ後にもキャラクターシート等と一緒に見返す事でセッションを思い出してもらう為です。
ハンドアウトを振り返って思い出すのは、キャラクター達の『設定』を越えた確かな『人生』なのです。
TRPGは学生時代ならいざ知らず、社会人となった我々にとっては休日を一つ使い潰すイベントになります。なればこそこういった小さな準備をしていく事が、その大切な時間を有意義な物にする為の一つの工夫になると私は考えています。
学生時代を終えた今だからこそ、今一度真剣に遊びたいものです。
では順にハンドアウトと合わせて登場PCを紹介します。
■PC①用ハンドアウト
ロイス:仲良しグループ 推奨感情P:幸福感/N:不安 ワークス/カヴァー 高校生/高校生
・君は平凡な高校2年生。昔からの気の合う仲間達とつるみながら日々過ごしていた。だが、ふとした折に君は思ってしまう。それは仲間と別れた帰路。放課後の教室。不意に滲みあがってくる。
やがて訪れる別れの日、「皆バラバラになってしまうのだろうか」と、不安になるのだ。
君は分かっている筈の答えを先送りにして友と笑い合う。それはまだ先の事だと。
そう思っていた。
プレイヤーは西の交差点管理人のワタカレ氏。演劇経験がある為、一歩引いたスタンスから状況を冷静に確認しつつ、積極的に熱いロールプレイに飛び込んでいくタイプのプレイヤーだ。所謂イケメンボイスの持ち主で、声に誘われた女性を撃沈するセイレーンみたいな男である。
キャラクター名:楠木三紀人(くすのき みきと) シンドローム:バロール/サラマンダー


■PC②用ハンドアウト
ロイス:桐谷ルイ 推奨感情P:庇護/N:憐憫 ワークス/カヴァー 指定なし/高校生
・君はこの学校に入学してから、ずっとある少女を気にかけていた。桐谷ルイ、生まれつき体の弱い彼女は登校してくる事も少なく早退も多い、その為教室で少し浮いた存在だ。陰で彼女を「妾の子」などと口にする不愉快な女子グループへの反発から何となく、彼女を幼馴染の仲良しグループで守るようになった。ルイをからかうように「姫」と呼び始めたのは君だ。
ある日の放課後、珍しくルイを美術室で見かけた君は照れる彼女と小さな秘密を共有した。
「桐谷ルイは絵が上手い」
何かモヤモヤとした気持ちを胸に帰宅した君の、枕に顔をうずめバタバタが始まろうとしていた。
プレイヤーは会場提供者ことじじぃ氏。このセッション当時は私の同僚だった男だ。同じ釜の飯を食らい、無能な上官の命令に歯噛みし、共に地獄の日々を潜り抜けた戦友である。ちなみに当時、彼以外のプレイヤーは全員私と初対面か2、3度顔合わせた程度の繋がりだった。縁とはまっこと不可思議なものである。この当時のプレイスタイルは多少引っ込み事案ながらも懸命にロールプレイに向かっていくタイプだった。キャラクター目線で思考する為、時折思考の袋小路に迷い込む事はあったがキャンペーンの終盤では徐々に迷いを払拭した。出目が死んでいる。
キャラクター名:本田和彦(ほんだ かずひこ)シンドローム:ピュア・サラマンダー


■PC③用ハンドアウト
ロイス:水谷涼 推奨感情P:親近感/N:食傷 ワークス/カヴァー 指定なし/高校生
・君は幼馴染の涼が内心うっとおしい。家が隣り同士で物心ついた頃から互いの両親に双子のように扱われてきた。勿論プライベートなどあったものではなく、涼は窓から君の部屋へ入り込んで今週のジャンプをさらっていく(君も似たようなものだが)。君はそんな煩わしさの中に流れる穏やかな空気にまだ気付いていない。変わりばえのない面子と別れ、涼と二人でなぞるいつもの道。日常。
電灯の下。
岐路はそこに立って笑っていた。
プレイヤーはこの卓の紅一点おさかな嬢だ。今回キャラクター紹介時に掲載しているイラストは彼女が以前描いてくれたものだ。自分のキャラクターを他の誰かが描いてくれるというのは大変嬉しい事である。いやがおうにも士気も高まる。プレイスタイルとしてはNPC大好きタイプで少しでも彼女に好意的なアクションをしたNPCに散弾銃の如く愛をバラ撒く。相手は死ぬ。彼女が愛したNPCが次々とくたばる事から死神の異名を持つ。
キャラクター名:柳昇(やなぎ のぼる) シンドローム:ノイマン/ソラリス/オルクス


■PC④用ハンドアウト
ロイス:黒沢陣 推奨感情P:尊敬/N:憤懣 ワークス/カヴァー UGNエージェント/防衛隊員
・君はUGN特別強襲支援部隊『インビジブル9』の隊員だ。部隊長の黒沢と共に数多の死線を越え、ここに立っている。だが君はとある事件をきっかけにUGNの闇を垣間見、苦悩する。
FHとUGN間に存在するアンタッチャブル。そして深間市に現れた二人のマスタークラス。鳴り響く出動要請、可及的速やかに機動ヘリが飛び立つ。
何か途方もない事が始まろうとしている、そんな予感が君の肌をざわつかせていた。
プレイヤーは改庵風流記の管理人肉影氏(うじ)。山男のような体躯に俊敏な動作で大学構内を駆けまわる事から肉影と囁かれてきた練馬の中忍。ケモナーという人外との情愛の境界線に苦悩する哲学者でもある。現在のプレイスタイルはコミカルなロールに時折渋い演出を織り交ぜてくるルーニー寄りのリアルロールプレイヤーである。
キャラクター名:イワン・カラシニコフ シンドローム:ピュア・ブラックドック Dロイス:実験体

この頃の肉影氏は装甲騎兵ボトムズを観た直後の為、元来の厨二病と相まって大変興味深い化学反応を起こした。ハンドアウト無視である。

GMがハンドアウトで提示した方向性と、プレイヤーがやりたい方向性がすれ違う事は往々にして起こる事態だ。当時、彼も含めてダブルクロス初心者が二名、それを除いても卓自体の経験値が浅かった事が災いしたようだ。だからといって用意したNPCと関係性を片っ端から敵にされてはこちらも困ってしまう。というか正直、哀しくなってしまう。
かくして卓全体で相談となった。

よく勘違いされる事だが、決してGMはホストではないのだ。プレイヤーとは立ち位置を違えているものの互いにゲームを楽しむ立場にある。TRPGはダイスとコミュニケーションで行うゲームである。なのだから、互いに折り合いを見つけ、その中で楽しむ事がもっとも大事なのだ。

アンニュイ。これもTRPGの登竜門である。これからしばし死ぬほど肉影氏のテンションが下がるが、セッションが始まると不死鳥の如く復活する肉影劇場が始まる。忍者はタフなのだ。
このような形式で次回からはシナリオ本編に入っていこうと思います。実際の音声を交えたこのような試みは初めてですので、経験者、未経験者問わず記事の感想を頂ければ幸いです。
改善点等がありましたら、こまめに直していきたいと思っています。
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