星海社のラノベ新人賞に【永い後日談のネクロニカ】現る。そして消える。

2014/10/16
13:18

　今日は時事ネタですね！TRPGの話題が時事ネタになる事なんて滅多にないです！私なんだかワクワクしてきましたよ！別に何も起こらないんですけどね！祭りだー！

　星海社ラノベ新人賞にTRPG『永い後日談のネクロニカ』の世界観や作中固有名詞をそのまま使用（パクリ）した小説が投稿される → ネクロニカ広報担当激おこ。

永い後日談のネクロニカ
(2011/09/01)
神谷涼

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　課題は前回と同じ、ゴールがしょぼい！

　太田：またまた林さん。『さよならわたしの長い夢』。

　林：これ前回、ボディビルディングの小説を書いてくれた人です。

　一同：おおお。

　林：それで今回は、なんとゾンビもの！！

　山中：林さんの趣味を狙い撃ちじゃないですか。

　太田：編集部を盗聴しているとしか思えない（笑）。

　林：またもやキタコレ！！　と思って、超絶期待して原稿を読みましたよ！！　どんな話かと言うとですね、人類が戦争をくり返した結果、人口が極端に減って戦争自体がままならなくなる。そこで「ドール」という、死体を使った人形を作って代理戦争を始めるんですが、それでも戦争で人は死んでいって、ほぼドールしかいなくなってしまったという世界。で、物語の主人公は四姉妹のドール。この四姉妹のマスターが死んじゃって、マスターの遺言通りに、四姉妹はマスターの友人邸に厄介になるため旅に出るのですが。これ、単におつかいの話で終わってしまっている。
　

原文
　http://sai-zen-sen.jp/works/extras/sfa010/01/01.html#p253

　これが「永い後日談のネクロニカ」の設定や世界観そのまんまじゃねぇか？と疑惑が持ち上がる。

『永い後日談のネクロニカ』ニコ大百科。

　概要
　資源枯渇に端を発する全地球規模の大戦の末、大地や自然、人類の築きあげた文明が既に終焉を迎えた世界。

　その荒廃した世界において、死者すら蘇らせる技術、ネクロマンシーを用いる者達「ネクロマンサー」によって創りだされた少女型のゾンビ『ドール』が織りなす、破滅に向かうまでの冒険譚…、もとい後日談を演じる作品である。

　舞台
　全面戦争によってあらゆる環境が激変、荒廃し、文明は尽く破壊され、人類や既存の生物がほぼ死に絶えた世界。

　数百年前の戦時中に生み出された異形の生物や器械、死者を蘇らせ使役する狂気の技術「ネクロマンシー」により生み出された動く死者、アンデッド達…、未だ死なず彷徨う人の形をしたもの、既に人ですら無い形のものが、壊れ朽ちた舞台で観客も居ないまま、狂気と悪意に満ちた悲劇と喜劇を道化のごとく永いエピローグを続けている。

　ドールはネクロマンサーによって生み出され、思考とココロを与えられた生ける屍。
　ネクロマンサーの手の上に居ながらも、ドールはそれぞれの想いのままに動き、戦い、そしていつか壊れる。

　ドール達は、ネクロマンサーの狂気と悪意に晒されながらも、同じドール達と姉妹の絆を結び壊れそうになる心をお互いに癒しながら、心のかけらを求め、終わりの無い狂気が満ちる…いや、既に終わってしまった世界を歩んでいく。

　広報担当怒る↓

https://twitter.com/incoglab/status/522028146032275458

「イヤッハァァァァ！！！祭りだ祭りだ！！！」ニョロロン！

「ヤッター兄ちゃん！TRPGが世間の注目を浴びてるよーー！！」ぴょーんぴょーん

「見てくれぇぇぇこれがTRPGだあああああああ！！！」ズビズバァ！！

「あ！TVに映るかな？イエーイ！鬼火ちゃん観てるぅ～～！？」ピースピース！

「そこの奥さんもチビッコも注目してくれえええええ！これがTRPG！俺がTRPG！！もっと見てくれ！！もっともっと見てくれ！！！俺をもっと見てくれェェェェェェ！！！」ドッギャァァァン！！！

「鬼火ちゃああああああああああああああん！！！」

「「「ほああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああカモオォォォォォォォンルックミィィィィィィィィィィ！！！」」」

五分後――――

「って、映る訳ないじゃぁん」

「うん。兄ちゃんも普通にきもかったよ。」

「うん」

「で、今回のこれは盗作にあたるの兄ちゃん？」

「いやぁ小説本体読んでないからなんとも言えないけど、星海社の講評を読む限り終末戦争後の世界観だとか、ツギハギの美少女ゾンビをドールと呼んだりだとかその辺だけでもイン子姉さんの言う作中固有名詞に引っかかってそうだよな」

「むーん、でも……TRPGってその辺って難しくない？」

「ふむん？」

「だってさぁ、TRPGの世界観って……こう言っちゃなんだけどさ、こう、基本ベタじゃん！」

「あー、あーあー」（頷いている）

「なんか、きっと皆に分かり易くする為なんだろうけどさ。公式NPCとか、色んな世界観の王道っていうかソックリさん持ってきてるじゃんか……」

「うんうん、分かるよ。言いたい事は分かるぞ妹よ」

「うん……」

「要するに何やってもパクリって言われそうって事だよな。うんうん。すごい分かるぞ。ただまぁそういうのって言い出したらキリがないし、設定かぶりなんてそれこそジャンルを股にかけて色んな所で起きてるもんだ。だからイン子姉さんも言葉を選んで作中固有名詞という語句を使ったんだと思うぞ」

　固有名詞
　人名やグループ名、地名等、それ以外には存在しない特定の対象を表す名詞のこと。文法上は、敬称を伴うときはこれも含めて固有名詞とすることが多い。
例: 「日本」、「ウィキペディア」など。（「*或る日本」「*1 つのウィキペディア」）　＞WIKI参照

「むぅん？兄ちゃん、これって要するに名前だけ変えれば良かったって事なん？」

「うん」

「ええ……、流石にその認識って雑過ぎない？」

「でもな、考えてもみてくれ。例えばネクロニカのドールが全員中年男性だったら、たぶんドールって名前になってないだろ？アーミーだとか肉ロボとか《俺のゾンビ》の方がしっくりくるだろ」

「肉ロボ……」

「表面的な事のように思えるが作中固有名詞っていうのは皮膚みたいなもんよ。皮膚を引っ張ると肉も付いてくるし骨も動く。TRPGを作る人達はストーリーをプレイヤー達に大きく委ねる分、その固有名詞から来る世界観とシステムに心血を注いでる方々だ」

「うん……」

「今回のネクロニカで言えば、ゾンビをドールと呼ぶが、他の呼び方にした時同じ世界観になるか考えてみるといい」

「うん？えーと、人形、パペット、ゾンビ……グール、フィギュア、ハニワ、肉ロボ…ガレキ……メダロット……ガンプラ……」

「うん、永い後日談のビルドファイターになっちゃうなソレ。耽美さ皆無の熱いロボバトルになっちゃうな」

ガンダムビルドファイターズ 1 [DVD]
(2013/12/25)
小松未可子、國立幸他

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「えっそれ燃えるじゃん！！！」

「じゃんじゃないがな。メタガやれよ」

メタリックガーディアンRPG
(2013/03/15)
藤田史人/F.E.A.R、林啓太他

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「うーんつまりどういう事？」

「言っちゃうとさ、TRPGネタから小説にしてデビューしてる人って少なからずいると思うんだよね。色々世界観に直結した名前だけ変えたりとかして。それって別に世界観の盗用とかじゃなくてベースにしてる、インスパイアしてるって事なんだと思う。ネタ抜きで」

「でも、それが今回パクリって……」

「書いてる人は何となく分かってくれると思うけど、名前変えたりだとか、世界設定付けたしだとかしてると、原型なんて本来はすぐになくなっちゃうもんだ。それにTRPGのソースって何だかんだ言ってもTRPGをやる為に出来てるんよ。それは小説とか漫画じゃ拾いきれない、表現しきれない部分だし、拾うくらいならその部分を別のにした方がしっくりくるもんさ」
「今回で言えばドールっていう名前。これは世界観もそうだけど、俺達プレイヤーに対して向けられている言葉でもある」

「あーコライユちゃんだ！」

「これは俺の餅キャラにしてマイドールCorailだ。名前の意味はフランス語で珊瑚。左膝から大量に分岐した余分な脚、触手束が珊瑚のように見える事に由来する。臍の下あたりに眼球が埋め込まれており、○宮内部には大量のその予備が詰められている」

「…………」

「……あんだよ」

「いや、身内のそういう性的な部分知りたくなかったていうか、兄ちゃん気持ち悪いっていうか……」

「そういうゲームなんだよ！！」

「はいはい、で？」

「んったくもぅ！」ぷりぷり！

「でだ、こうしてキャラクターシートにしてみると分かり易いんだが、ドールはパーツを組み替えられる少女だからドールなんじゃない。俺達プレイヤーが好きにパーツをいじくり回し、そして俺達に人形遊びの如くロールさせられるからこそのドールなんだ」

「な、なるほどっ！………………」スス……

「よぅしよしよし納得したか、…・…ん？なに？なんで距離とってんの？」

　「いや、お人形遊びしてる兄ちゃん想像したら……」

　「したらなんだよ」

　「いや、あの、すいません近づかないで貰えますかね……」

　「…………っ！」ムキィーーー！

　うわっ兄ちゃんぶたないでよ！暴力反対！

　ぺちぺちぺち！

　おかーさーん！お兄ちゃんがぶったー！

　ドタドタドタ！！

　――――

　――

　「名前を変えるだけでいい」というのは極端ですが、秀逸な固有名詞や世界観、設定は一つとっても引用した方が真似たいと思えるほどに考え抜いた努力の結晶だと思います。そういう部分に敬意を払わず、威を借り金銭の絡んだ賞に応募してしまうのは赤の他人から見ても気分の良いものではありませんね。
　TRPGは創作の刺激になりますし、無論TRPG自体が一つの創作でもあります。今回の作品も発表する場さえ間違わなければ、大いに受け入れられたものかと思います。

　当たり前ですがルールを守って楽しく遊びたいものです。

　ちなみにPIXIV等の画像サイトでネクロニカで検索すると、いろんな方々のドールが閲覧できます。かなりR指定に傾倒したデザインも多数あります、興味のある方は覗いてみても面白いかと思います。

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テーマ:TRPG

ジャンル:ゲーム

カテゴリ:TRPG

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【今週の】名前を言ってはいけない板前【ヌルヌル悩み相談】ホーム電脳勇者浪漫活劇”Ａ４”　【これが友情パワーだ！うおおお後篇】

コメント

No title

これ気になって僕も見ようって思ったらあの一件で作者が消してて見れなくて残念でした

なんかTwitterのTLで見た人の感想が設定とか用語まんま使っておいてネクロマンサーのとこだけなんか別の単語にしてたってのでめちゃくちゃ笑っちゃいましたね

2014/10/18(04:52)

あいん URL

編集

Re: No title

　こんにちはあいんさん！

　なんでもそうらしいですねｗｗいやぁ本人もヤバイと思ったんでしょうけどいくらなんでも安易ですよねぇ。
　ネクロニカはホント、妙なトコで話題に事欠かないですわｗｗ

2014/10/18(09:07)

やだ　なにこれ？ URL

編集

こんな事が有ったんですね。パクリ疑惑の作品というと、とあるラノベ作家さんの(多分)アー○ードコアに学園モノの要素を捻り込んだっていう作品が耳に新しいですね

2017/02/18(02:41)

ネクロニカで調べてたら偶々来た人 URL

編集

Re: タイトルなし

> こんな事が有ったんですね。パクリ疑惑の作品というと、とあるラノベ作家さんの(多分)アー○ードコアに学園モノの要素を捻り込んだっていう作品が耳に新しいですね

コメントありがとござます！！
むしろＡＣは元ネタの方が死んでるのでパクリでも何でもいいので賑わって欲しいですわ……（悲しみ）

2017/07/02(06:33)

やだ　なにこれ？ URL

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